現物取引と信用取引

現物取引と信用取引の違いとは?

株を買うためにはある程度の資金が必要ですが、
支払いには「現物取引」と「信用取引」という2つの方法があります。

どちらも指定の口座から引き落とされるのは同じですが、
後々払わなければならない金額がまるで違ってきますので、はじめての方は注意が必要です。
一体どのような差があるのでしょうか?見てみましょう。

① 現物取引
現物取引とは、今自分が持っている資金の範囲内で株の売買を行うことです。
分かりやすく言えば、今持っているお金が5万円だから、5万円分の株しか買わない、というのが現物取引なのです。

現物取引の場合は、仮に5万円の株が10万円で売れれば5万円の得になりますし、
3万円でしか売れなければ2万円の損失になります。
しかし、元々自分の持っていたお金がなくなるだけで、それ以上の出費にはなりません。

② 信用取引
上の現物取引に対し、自分の持っている資金より高い株が購入できるのが「信用取引」です。
これは今5万円しか持っていなくても、
証券会社から借金することで10万円、20万円分の株を買うことができます

株の値上がり益は10万円、20万円の方がもちろん高いので、
株価が上がれば借金を帳消しにした上で、
自分が持っているお金以上の大きな利益を得ることができるわけです。

しかし、逆に株価が下がった場合はどうでしょうか?
5万円を元手に20万円の株を買い、それが10万円に値下がりしてしまったら、
借りた分の15万円に足りませんから、5万円は自費で出す羽目になります。

この不足分の金額を追証(追加証拠金)と言います。
これが信用取引の恐ろしい部分で、失敗すれば普通なら口座が寂しくなるだけで済むところを、
更に借金まで背負うことになるのです。

それでも、成功すれば多大な利益を生むのは確かなことです。
ちなみに信用取引の中にも「制度信用取引」と「一般信用取引」という種類があり、
少々性質が異なります。
それぞれの信用取引について、もう少し詳しく見てみましょう。

制度信用取引と一般信用取引って?

先ほどご紹介した「信用取引」ですが、
その中にも「制度信用取引」と「一般信用取引」という異なる性質をもった方法があります。
どのような面で差が出てくるのでしょうか?見ていきましょう。

① 制度信用取引
簡単に言えば、制度信用取引は
信用取引できる企業の銘柄や金利、返済期日などが証券取引所の規定によって決まっているものです。

ですから、この企業の株を買いたい!けど高いな…よし、信用取引で買おう!と思っても、
その企業が証券取引所によって「信用取引できる」と見なされる基準を満たしていなければ、
信用取引で株を購入することはできません。

ですが、証券取引所が銘柄を慎重に選んでいるだけあって、
投資家にとっても信頼できる企業ばかりですし、金利も比較的安いと言われています。

はじめて信用取引を行うのであれば、制度信用取引ができる企業を選んだ方が、
大幅に株価が下落したり高い金利に悩まされたりすることなく、安心と言えるでしょう。
ただ、返済期限も最大6か月と定められていますから、安易に取引するのはおススメできません。

② 一般信用取引
対して、一般信用取引は
どの銘柄であっても信用取引を行うことができるというもので、
金利や返済期限も証券会社との相談の上決めることが可能です。

そこまで名のある企業ではないけれど、今後の見込みがある!と思うような企業があるのならば、
こちらの一般信用取引で元手以上の株を買っておけば、予想以上の値上がり益が期待できます。

しかし、この企業は伸びる!と思っていた予想が外れると、
思いのほか大きな借金を負うことにもなりかねません。
制度信用取引はある程度証券取引所が見込んだ企業であるのに比べ、
一般信用取引の場合、自分で企業を見極めなければならないのです。

しかも、金利は制度信用取引よりも高めに設定されることが多いので、失敗した時のリスクは計り知れません。
利用する時はくれぐれも慎重に行いましょう。

初心者は現物取引が基本!

いかがでしょうか?
信用取引にも様々なメリットがありますが、その分失敗した時の不利益は非常に大きいものです。

株取引に慣れ、株を購入する企業をしっかりと見極められるようになれば
損失を被ることも減るものの、株をはじめたばかりの方が信用取引を行うと、
思わぬ借金が生まれるリスクが高いでしょう。

一度目は運が良ければ上手くいくかもしれませんが、
二度目からはそうはいきません。

しかし、一度成功を味わってしまうと
「もしかしたら、また…」と考えてしまうのが人間です。
ですから、初心者のうちは信用取引には手を出さず、現物取引で見る目を養って下さい。

信用取引は前借りという点ではクレジットカードと同じですが、
返済できなくなれば手元に残るものは何もありません。

場合によっては現物取引ですら、
マイナスにはならなくとも手持ちがゼロになるリスクを秘めていますから、
一攫千金を狙わず少額の取引をコツコツ積み重ねていくのがおススメです。

そして徐々に利益を生む流れを掴み、企業が成長する兆しを見極められるようになってから信用取引に挑戦すると、手持ちのお金をより増やせるでしょう。

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